へるめす通信11
—(村人A)あれっ? ちょっと、あーた、ほれ。
—(ジョルジュの孫)うーん。……、はっ!
—(村人A)あーた、何ですか、いきなり。目が遠くを見てましたよ。しかも長かったですね〜。
—(ジョルジュの孫)ありゃー、もしかして、私、意識喪失してた?
—(村人A)もしかして、じゃなくて、きっぱり喪失してました。
—(ジョルジュの孫)あらー、長いこと気を失っちゃって。あなたの顔が悪いんだわ、きっと。
—(村人A)何ですか! 寝たふりはいいから、さっさとブログ、更新してくださいよ。
—(ジョルジュの孫)あっ、そうそう、ブログね、ブログっと。……話、どこまで行ったっけ?
あっ、そうそう、思い出した!
でね、恐怖から誓いを立てる場合、その誓いには対象があるっていうことを、ホッブズが言っているの。
つまり、人は見えない霊の力に対して誓いを立てるか、もしくは、誓いを破ることによって、オレさまを裏切りやがってコノヤロー!なんて、怒るであろう人々に対して誓いを立てるか、どっちかだというわけ。
—(村人A)ん? あのー、見えない霊の力って、何ですか? ちょっと、それ、意味がわからないんですけど。
あっ、もしかして、各人がせおっている背後霊に誓いを立てるとか?
だけど、あっしにゃ、そんなものいませんよ。あーたになら、一匹や二匹、いそうですけどね。しかも、とてつもなく、怖そうなやつ。
—(ジョルジュの孫)ちょっと、あなた、な〜に、ばかばかしいこと言ってんの。あのね、見えない霊の力ってのは、要するに、個々人が持っている宗教のことよ。
ひらたく言えば、あなたの信じている神様に対して誓うってこと。
ホッブズは、見えない霊の力と人間の力じゃ、宣誓者の恐怖としては人間の力の方が大きいだろうけれど、本当は、見えない霊の力の方が大きいんだって言うわけ。
これのどこが背後霊じゃい。
—(村人A)ふーん、そうだとすると、人間が何かに対して誓うというのは、当人が最も畏れ敬っている神への恐怖が根源にあるというのが、ホッブズの見解だっていうわけですね。
—(ジョルジュの孫)それそれ、そういうこと。私が言いたいのは、そういうこと。
あんた、なかなかじゃない。見直したぁ。人は見かけによらないって言うけど、ホントね。昔の人はよく言ったもんだわ。
—(村人A)なんで、そこで、あっしの外見が出てくるんですか。ほめるんなら、ストレートに「あなたの才能にクラクラした」とでも言えばいいじゃないですか。屈折してるなあ。
—(ジョルジュの孫)いやいや、私をクラクラさせるなら、あとひとふんばり、ふたふんばりしないと。せめて、アポロン様レベルになってくださいな。それぐらいじゃ、ちょっとね。おーっほっほ。
—(村人A)何ですか、それ、ホントに失礼な。
ところで、そうすると、誓いを立てる人は、何らかの神様を信じている人でなければならないってことになりますか。
—(ジョルジュの孫)あなた、ノってきたわね。



















