へるめす通信13
—(ジョルジュの孫)あっ、そうね。そういうことになるかもね。
金田一君は、「じっちゃん」なんて気軽に呼んでるけど、その実、「じっちゃん」をものすごーく尊敬しているというか、より正確に言えば、畏怖の念を抱いているってことになるのね。
「事件の謎が解けなかったら、じっちゃんよ、オレを罰してくれてかまわない。」ってことだもんね。
—(村人A)うわー、すげぇ「じっちゃん」だなあ。そんな「じっちゃん」を持って、ある意味、気の毒?
—(ジョルジュの孫)そうね。確かに。
だけど、こうも言えるかも。「じっちゃん」というモノを崇拝しているという点では、ここに金田一君のフェティシズム(呪物信仰)がうかがえるってこと。
—(村人A)? ……フェティシズムって、あの。……あれ、のことですか? つまり、そのォ、女性の脚フェチ、とか、ストッキング・フェチとか、パンティ・フェチとかってやつ?
—(ジョルジュの孫)まあ、そういわれれば、そうなんだけど。
—(村人A)えー? そうすると、金田一君は、実はじっちゃんフェチ? うほほーい! すごい趣味……。やるなあ、金田一君! ナーイスっ!!
—(ジョルジュの孫)……あのね、あなた、たぶんものすごーく誤解してると思うんだけど。
フェティシズムってのは、そういう倒錯した愛情表現しかできない、あなたみたいな人のことだけを言うんじゃないのね。
—(村人A)へ? だって、フェチって……?
—(ジョルジュの孫)あのね、フェティシズムってのは、もともと石とか木のようなモノが、見る人から見れば、神秘的な力を持っていると考える信仰のことをいうわけ。
フェティシズムをいろいろな宗教の根源だと考える人もいるくらいなんだから。
—(村人A)石や木を信仰するって、木が神様なんですか?
—(ジョルジュの孫)まあ、そういうことになるかな。
だけど、それって別にいわゆる「未開」の人々のやることだとも、いえないわけ。現代の私たちの中にもフェティシズムってのはあるの。
例えば、こんな時代になったって、大学受験生の中には、大学合格を祈願して、神社に行ってお守りをもらってくる人もいるでしょ。そのお守りを大切にして、試験の日にポケットに入れてったりするじゃない?
だけど、お守りの袋の中にどんなすごいものが入ってるのかなーとワクワク☆ドキドキしながら見てみると、文字の書かれた木だけが入っているわけ。それって、木に神様が宿っている、つまり依代(よりしろ)だと信じていることになるのね。
つまり、見る人から見れば単なる木、単なるモノなんだけど、当人にとっては、それがすごく大切な意味を持つわけ。
—(村人A)……なるほど。



















