へるめす通信21
—(ジョルジュの孫)神様からそんな仕打ちを受けたもんで、カインはすごく怒って、顔を伏せちゃったの。なんたって、兄さんの面目丸つぶれだもんね。
そしたら神様は、「なぜあなたは憤り、顔を伏せるのか。」って言うわけ。「正しいことをしたんだったら、顔を上げなさい。もし正しいことをしていないのなら、罪があなたを待ち受けている」ってね。
—(村人A)……うーん。まあ、そりゃ、そうかもしれませんよ。
だけど、あんまり厳しすぎやしませんか? 神様。もうちょっと、カインにやさしい言葉をかけてやってもいいでしょ?
—(ジョルジュの孫)どうだろうねえ。あなたのその意見については、「神を裁くなかれ」の一言で終わっちゃうと思うけど。
その問題はさておき、カインとアベルは、その後どうなったかというと、2人の間でケンカが起きちゃって、悲惨な結末を迎えるのね。
何が起きたかというと、ある時、カインはアベルを野原に連れて行って、アベルを殺しちゃったの。
—(村人A)うわー。アベル、気の毒。兄さんに殺されたのかぁ。
—(ジョルジュの孫)そしたらね、神様がカインに「弟のアベルはどこにいるのか」って聞くわけ。もちろんカインは「いいえ、知りません」なんて、しらばっくれる。それだけじゃなくて、「私は弟の見張り番なんですか?」なんて付け加えちゃったの。
—(村人A)ここにも、ヘルメスがいた! ヘルメスそっくりの「しらばっくれ」の術!!
—(ジョルジュの孫)確かにね。そして、その後の展開も似てるかも。
その後、神様は「お前は何をしたんだ! 弟の血の声が、土の中から私に叫んでいるぞ!」ってカインを問いつめるわけ。
なんたって、神様は『トリック』の山田奈緒子みたいに、「全部まるっとお見通し」なもんで。
—(村人A)あっしは仲間由紀恵さんの大ファンなんですよー。あーたと違って、かわいいもん…
—(ジョルジュの孫)む!
(村人A、ジョルジュの孫の鋭い眼光を前に震え上がり、話題を変える。)
—(村人A)えーっと、神様ったら、カインをひっかけたわけですね。おちゃめ!
—(ジョルジュの孫)まあ、カインの誠実さを試したのかもしれないし、そうでないのかもしれない。聖書の神は人智を超えた存在なんだから。人間に神の意図がわかるわけないのよ。



















