茶碗虫とアブラムシ—鹿児島紀行(4)
わりと有名な話ですが、鹿児島には「茶碗蒸しの歌」というのがあります。
どんな歌かというと、「茶碗蒸し」という食べ物を知らない薩摩人が、「チャワンムシ」という言葉を聞いて、何かの「虫」かと勘違いしてしまう、という滑稽なもの。
歌詞はこうなっています。
うんだもこら、いけなもんな(=あらまあ、ビックリ、どうしたことでしょ)
あたいげどん 茶碗なんだ(=私の家の 茶碗なんか)
日に日に三度も洗(あろ)もんせば(=毎日三回洗いますので)
きれいなもんごわんさ(=きれいなものでございますよ)
茶碗に付いた虫じゃろかい(=茶碗に付いた虫でしょうか)
めごなど けぁるく虫じゃろかい(=目の荒い籠をはいずり回っている虫で しょうか)
まこて げんねこちゃ わっはっは(=本当に 恥ずかしい、わっはっは)
「chawan.mov」をダウンロード (「茶碗蒸しの歌」の試聴ができます。知人に歌ってもらいました。よかったらお聞き下さい。)
あまりに強烈な歌詞とメロディーに、脳髄まですっかりヤられてしまい、ふとした折に口をついて出るようになってしまいました。
ところで、鹿児島には、もう一つ、印象深い虫がいます。
それは、ズバリ、アブラムシ!
「ぎゃーっ!! アブラムシが出たーっ!」という声に、植物の茎にべったりくっついている緑色の虫を想像しながら振り向いた私。
ところが、そこに緑色のモノは一切見えませんでした。そのかわり、テカテカ光り、すばしっこく動く、おなじみの黒い物体が……。
そうなんです。鹿児島で、アブラムシとは、ゴキブリのこと。
なんでアブラムシに、ぎゃあぎゃあ言うのか、ようやくその理由がわかった次第。
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