津田新吾さんの訃報
元・青土社の編集者・津田新吾さんが亡くなられました。
思えば、私は津田さんにはたいへんお世話になりました。
『現代思想』に掲載した私の論文を読み、「これを本にしませんか」と誘ってくださり、最初の本『クソマルの神話学』を作ってくださったのも、津田さん。
また、私の本を、私の知らないところで、山口昌男先生に送ってくださったのも津田さん。
津田さんが送ってくださった拙著を山口先生が読まれて、「著者に会いたい」と電話をかけてきてくださったのがきっかけで、私は山口先生のお宅に出入りするようになったのでした。
6年前のこと。締切をかなり過ぎて、津田さんからそれこそ矢のような催促を受けて、必死になって書き上げた最初の本の原稿を、津田さんにメールで送付したところ、3週間ほど、梨のつぶて。
どうしたのか、あまりにも原稿が遅くなったので、津田さんは怒ってしまったのかと心配になっていた時、津田さんから連絡があり、神保町の「さぼうる」 という喫茶店でお会いしました。
いつもと違って、ぼーっとしている様子だったので、「どうかしたのですか?」と伺ったところ、「実は……」と切り出されたのは、彼が長い間、悪性リンパ腫を患っていて、この3週間その治療をしていたというお話だったのです。
先の見えない病気と闘っている姿、また健康体の人間でも非常にきつい、書籍の編集という仕事を、そんな大病を患いながら頑張っている姿に、たいへん感銘を受けたことを思い出します。
津田さん、長い間お疲れ様でした。安らかにお眠り下さい。






















