黒崎宏先生より『<自己>の哲学』をいただきました
哲学者の黒崎宏先生より『<自己>の哲学 ウィトゲンシュタイン・鈴木大拙・西田幾多郎』(春秋社)を送っていただきました。 m(__)m
すでに、このブログのあちこちで書きましたし、自分の本の中でも書いているのですが、私は大学院の博士課程の2年の時から2年間、当時、成城大学で教えていらした黒崎先生の授業を聴講した、いわゆる「もぐり学生」でした。
だから、私は先生の教え子と一応は呼べるのかもしれませんが、正式の学生ではないのです。(しかし、授業に出るにあたっては、先生の許可は取っています。)
私がもぐっていたのは、学部の授業でした。私にとって黒崎先生の授業は、とにもかくにも非常にわかりやすく、かつ論理的、毎回とてつもなく刺激的で、別に単位が取れるわけでもないのに、ほとんど休まず授業に出ていました。
この時の授業は本当に出てよかったと思えるものでした。
最初の年はウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」論の解説と、ノーマン・マルカムの本の講読。(これは、のちに『ウィトゲンシュタインと宗教』(法政大学出版局)というタイトルで出版されています。)
2年目は、クリプキの『名指しと必然性』と『ウィトゲンシュタインのパラドックス』の解説でした。
ある日、授業の最初から教室にいた学生は、私ともう一人ということがありました。さすがの先生も、教室に入ってこられた時にはびっくりしたお顔をなさっていたのを覚えています。この後、遅れてきた学生がいたので、さすがに授業の最後まで2人ということはありませんでしたけれども。
ところが、3年目、私は日本女子大学に助手として就職してしまったため、その年を最後に定年退職される先生の授業に出ることができなかったのです。この年の授業は、オースティン『言語と行為』(大修館書店)とライル『心の概念』(みすず書房)の講読でした。参加できず、本当に残念でしたが、かろうじて、先生の最後の授業の時に、勤務先からお休みをもらって、御挨拶に伺いました。
それ以来、私は書き上げた論文や本を先生にお送りし、先生からはありがたくもご本を頂戴するようになりました。おそらく、先生は私の顔は覚えておられないことと思います。ほとんど教室の中で、下を向いて、ノートをとっていたのですから。そして、もう何年も、私は先生に直にお目にかかることなく、この著書と年賀状のやりとりだけを続けています。
けれども、先生のご本やご講義が、私に大きな影響を与えたことは間違いないのです。そして、この黒崎先生との出会いがなければ、今回の本(『大人のための仏教童話』)も執筆できなかったと思います。とくに、仏教の空性を理解する際に、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」の観点からのアプローチが、たいへん参考になりました。
最後に、本の奥付を見てみたら、黒崎先生は今年で81歳! 81歳で新刊書を出されるのは、すごいの一言です。
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