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2011/06/08

わたしの道具箱 『日本人名大事典』

Rimg0016 今回の「わたしの道具箱」で紹介するのは、『日本人名大事典』(全7巻、平凡社)。

この事典の存在を知ったのは、実は、平凡社のある編集者の方からの一通のメールがきっかけでした。

それは、どういう内容のメールだったかというと、

「この度、平凡社から『日本人名大事典』が覆刻される。この事典については、かつて山口昌男先生が著書の中で誉めていた。そこで、今回の覆刻にあたって、先生から推薦文を頂戴したいので仲立ちしてほしい」

というものでした。

そこで、早速この件を山口先生にお知らせし、この事典が刊行された時のパンフレットに、めでたく山口先生の推薦文が載ったという次第なのですが、私の目を惹いたのはその推薦文の次の箇所。

人名事典といえば、似たような活字を押し込めて、役職など、これまた似たような内容を詰め込んだ文章を並べ立てたものと、一般には考えがちで、利用目的などが限られているようにみえる。

ところが、この『日本人名大事典』は全く違う。私にとってこの事典は、人物をとおして世界の動きや時代の移り変わりを知り、ひとつの物語にはまって出口を見失うほどの面白い読み物なのである。

35年前に、私(=山口昌男)は『日本人名大事典』の前身である、昭和13年発行の『新撰大人名辞典』を北海道旅行中になんと2セットも買い求めている。ひとつは札幌のデパートの古書店で、もうひとつは旭川市で手に入れた。私自身が、どうしても、2セットをそばに置きたいと熱望していたのだ。

なぬ? 山口昌男が2セットも買っただと!

買うか買うまいか、ほんの少しの逡巡がありましたが、あの目利きの山口先生が2セットも買ったという事実に押されて、私も結局この『日本人名大事典』を古書店で購入しました。

買ってみると、確かに面白い!

山口先生は推薦文の中で、この事典の「南方熊楠」の項目の中には書かれていて、普通の人名事典には載っていない、熊楠のキューバでの革命軍参加という出来事に注目しています。が、私が興味を覚えたのは、「吉田松陰の母」という項目。

Photo そもそも「吉田松陰の母」を項目立てすること自体、面白いのですが、中身はもっと面白い。左はその前半部分ですが、この続きになんと書いてあるかというと、吉田松陰の母、龍子は仏門に入り、明治15年にはその写真が三條実美によって皇后と皇太后に見せられるほど有名になっており、翌年には羽二重が皇室から贈られ、龍子が84歳で死んだ後には、昭憲皇太后によって追弔されたというのです。

この事典は、神武天皇から昭和13年の嘉納治五郎まで(これだけで面白い)の5万人の記事を記した本巻6巻(覆刻版)と、昭和13年から昭和53年までの6千人の記事を新たに付け加えた増補版1巻の計7巻で構成されています。

「そんなこと、知らんわい」ということを知ることのできる独自の事典。オススメです。

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