物語を絵にすること
今、神話を現代風の漫画にする本の監修をしています。実際やってみてはじめて、これはとっても難しい作業なのだとわかりました。
このことは、前回監修した『神々のからさわぎ 日本神話編』(東京書籍)のあとがきにも書きましたが、なんといっても、原典では細かいことが触れられていない、あるいは全く書かれていない、衣服だとか、髪型だとか、剣の形だとか、杖の形だとか、装飾品だとか……などなどが、絵にするときにはすごーく重要になってくるわけです。
こういう仕事をすると、我々が言葉で表現されているものだけを考察対象にしていること、そして、それは一面的なものなのではないかということに思い至ったりします。
今回の本は、着手する前から、時間と手間がかかることはわかっていたのですが、実際問題、想像以上の時間と手間がかかっています。
現在の大学の仕事の都合で、私自身がふんばりがきかないという事情もあります。
また、誰でも参照でき、なおかつ信頼のおける本の翻訳が進んでいないという事情もあります。
一番の問題は、資料のとぼしい神話をビジュアル化するということ自体に、困難があるということでしょう。
けれども、とにかくみんなで頑張っています。とくに、私自身、相当ダメ出しをしたにもかかわらず、それでも、がんばってくれている、脚本ほかの重要部分を担当しているユークラフトの石川明里さんには感謝です!
ところで、話はまったく変わりますが、10月19日(金)に、印刷博物観の内覧会とレセプションに行ってきました。
←(こちらはその時いただいた図録です)
いきなり、ホンモノの杉田玄白の『解体新書』が並べられていたのを見たときには、美術館でロダンの「考える人」、博物観で縄文土器を見たときのような不思議な感覚を得ました。
つまり、「これが、あの教科書に載っている、『解体新書』のホンモノなのね?!」というような、文末に疑問符をつけたくなるような困惑と不確かさと若干の感動が入り交じった感覚です。
レセプションの会場では、印刷物というのは、たくさん刷られているから、1点ものの美術品などに比べると価値がないように思われがちですが、実はそうではなく、世界に1点しかないものも並べられているとの説明がありました。
2012年10月20日から2013年1月14日まで、印刷博物観では「印刷都市東京と近代日本」という展覧会が開かれています。ご興味のある方はぜひどうぞ。
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