へるめす通信46
—(ジョルジュの孫)てなことで、話をもとに戻すと、ヘルメスは、アポロンにひったてられて、お父さんのゼウスの前に連れて行かれて、そこで、なんと自分の産着を手に持ちながらも、堂々としらばっくれたわけ。
—(村人A)産着を手に! ヘルメスはホントに赤ちゃんなんだ。将来有望な大物っすね〜。
—(ジョルジュの孫)ま、神様に「将来有望」とか、「大物」とかって言うのもナンだけど、確かに大物よね。
それで、大物といえば、さすがにヘルメスの父親、神々の王ゼウスも大物なのよね。なんと、ゼウスは、いたいけな見かけから繰り出される巧みな弁舌を聞いて、怒るどころか、大声で笑っちゃったんだから〜〜。
—(村人A)えー、笑った? さすが! 余裕!! 太っ腹っすね。なんつうか、それだけで、神々の王の余裕が感じられますよ。『ゼウスに学ぶ帝王学』『ゼウスに学ぶ社員教育』なんて本を書いてくれないかな?
—(ジョルジュの孫)というか、すでにあるかも? だけどね、ゼウスはそれだけじゃないの。次に出した命令も、なかなかのものよ。
「アポロンよ、ヘルメスよ、ふたりとも、心を一つにして、牛を見つけよ。そして、ヘルメスよ、牛を隠した場所にアポロンを案内しなさい。どちらも遺恨を残さないように」ってね。
—(村人A)うひゃー! できた人じゃないですか、ゼウスって。
—(ジョルジュの孫)これくらいじゃなくちゃ、父殺しあり、近親相姦ありの、どーろどろなギリシア神話世界は統治できまへん!
まあ、ゼウスの場合、もう少し、奥さん教育をすべきだったと思うけど。
—(村人A)有名なヘラのやきもちですね。
—(ジョルジュの孫)そう、そう。あんたもだんだんギリシア神話に詳しくなってきたじゃない。
—(村人A)お褒めいただき、光栄です。
—(ジョルジュの孫)あら。素直。ちょっと気持ち悪!
—(村人A)なんすか、ちょ、失礼。早く連載を終わらせてあげようと思っている親心なのに。
—(ジョルジュの孫)いやー、どうも、あんたが素直だと、裏になんかあるような気がしてしまって。。。
—(村人A)なんにも、ないっすよ! あっしも、一生懸命、勉強したんですよ、『神々のからさわぎ 世界の神話編』って本を読んで。
—(ジョルジュの孫)それは、漫画! っていうか、私が監修したやつ! なんだ、買ってくれたのね。どうも、ありがとう!!
—(村人A)いーえ、あっしは図書館で借りましたが……?
—(ジョルジュの孫)あんた、これだけ私に迷惑かけてるんだから、フツー買うよね?
—(村人A)いーえ、あっしはあーたに何の迷惑もかけちゃいませんよ。人聞きの悪い。
それよか、ひねくれ者のヘルメスはゼウスに素直に従ったんですか? 今回もまたごねたとか?
—(ジョルジュの孫)いんや! さすがにお父さんの命令には従ったのよね。ヘルメスはバーベキューをしたところまで、アポロンを連れていくの。



















