へるめす通信47
—(ジョルジュの孫)ヘルメスはね、洞窟の中にかくしておいた牛を、外に出すのよ。
—(村人A)へー。さすがのヘルメスも観念したってことですかい?
—(ジョルジュの孫)ま、そうかもね。だけどね、アポロンは、そっちの元気満々な牛たちよりも、近くの岩にはりついていた、ヘルメスがバーベキューにしちゃった2頭の牛の皮のほうに目が行くのよね。
なんでだと思う?
—(村人A)はい、はい、はーい。わかったぁ、わかりやした!
アポロンは、2頭の牛さんたちのこと、日光浴しすぎて皮がむけちゃったと思ったじゃないでしょうか?
だから、この次は、皮1枚はがれた丸裸の牛さんたちを探そうと思いめぐらしていた、とか?
—(ジョルジュの孫)……、はい?
—(村人A)あれ? なんか、目つきが悪くなっちゃって……。
あっと、じゃ、これだ!
アポロンは、夏休みの宿題に、牛さんたちの脱皮の観察日記を書こうと思いついた!
—(ジョルジュの孫)あのね、どこのどいつが、アポロンに夏休みの宿題を出すのよ?
だいたいアポロンに夏休みがあるってのかい!
—(村人A)えーっ、ないの? 神様に夏休みはないの? そんなの残酷ですよ。さみしーよぉ。。。夏休みだけが唯一の心のオアシスなのに……。
—(ジョルジュの孫)…… いや、そういう問題じゃなくて、……うーん、まぁ、確かに、神様は毎日が夏休みの気もするけど……。しかし、いったい、どこからそういう発想が出てくるんだろう。。。いや、そうじゃなくて、……。
—(村人A)むひひひひ。あっしの鋭い解答に、あーたの硬直化した思考が攪乱されていますね。
—(ジョルジュの孫)………?
—(村人A)にゃは! じゃ、これならドーダ。アポロンは、牛の皮フェチだった! だから、自然と、牛の皮に目が行ってしまったのだ!
ほら、ほら、ぼけているように見えて、あっしはあーたのへたくそな授業をちゃーんと聞いているわけですよ。当たってるでしょ?
—(ジョルジュの孫)……あのね、アポロンは単純に、赤ちゃんのヘルメスがどうやったら、こんな大きな牛2頭を殺したのかって、びっくりしただけなんだけど。
—(村人A)はい? たった、それだけ?
—(ジョルジュの孫)「たった、それだけ?」とは何よ。ひどい言いぐさ。
あのね、ここでアポロンはヘルメスに感心したわけよ。
自分を驚かせた赤ん坊に対して「あっぱれ! ナーイス!! エクセレント!!!」って感じだったんじゃないの?
だから、お前はこれ以降、大きくなったらダメだとも言うのよね。
—(村人A)アポロンもさすが、ゼウスの息子ってオチですね! みんな、大物っぷりを発揮してまっせ!



















