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2013年5月の5件の記事

2013/05/31

へるめす通信47

—(ジョルジュの孫)ヘルメスはね、洞窟の中にかくしておいた牛を、外に出すのよ。

—(村人A)へー。さすがのヘルメスも観念したってことですかい?

—(ジョルジュの孫)ま、そうかもね。だけどね、アポロンは、そっちの元気満々な牛たちよりも、近くの岩にはりついていた、ヘルメスがバーベキューにしちゃった2頭の牛の皮のほうに目が行くのよね。

なんでだと思う?

—(村人A)はい、はい、はーい。わかったぁ、わかりやした! 

アポロンは、2頭の牛さんたちのこと、日光浴しすぎて皮がむけちゃったと思ったじゃないでしょうか?

だから、この次は、皮1枚はがれた丸裸の牛さんたちを探そうと思いめぐらしていた、とか?

—(ジョルジュの孫)……、はい?

—(村人A)あれ? なんか、目つきが悪くなっちゃって……。

あっと、じゃ、これだ! 

アポロンは、夏休みの宿題に、牛さんたちの脱皮の観察日記を書こうと思いついた!

—(ジョルジュの孫)あのね、どこのどいつが、アポロンに夏休みの宿題を出すのよ?

だいたいアポロンに夏休みがあるってのかい!

—(村人A)えーっ、ないの? 神様に夏休みはないの? そんなの残酷ですよ。さみしーよぉ。。。夏休みだけが唯一の心のオアシスなのに……。

—(ジョルジュの孫)…… いや、そういう問題じゃなくて、……うーん、まぁ、確かに、神様は毎日が夏休みの気もするけど……。しかし、いったい、どこからそういう発想が出てくるんだろう。。。いや、そうじゃなくて、……。

—(村人A)むひひひひ。あっしの鋭い解答に、あーたの硬直化した思考が攪乱されていますね。

—(ジョルジュの孫)………?

—(村人A)にゃは! じゃ、これならドーダ。アポロンは、牛の皮フェチだった! だから、自然と、牛の皮に目が行ってしまったのだ!

ほら、ほら、ぼけているように見えて、あっしはあーたのへたくそな授業をちゃーんと聞いているわけですよ。当たってるでしょ?

—(ジョルジュの孫)……あのね、アポロンは単純に、赤ちゃんのヘルメスがどうやったら、こんな大きな牛2頭を殺したのかって、びっくりしただけなんだけど。

—(村人A)はい? たった、それだけ?

—(ジョルジュの孫)「たった、それだけ?」とは何よ。ひどい言いぐさ。

あのね、ここでアポロンはヘルメスに感心したわけよ。

自分を驚かせた赤ん坊に対して「あっぱれ! ナーイス!! エクセレント!!!」って感じだったんじゃないの? 

だから、お前はこれ以降、大きくなったらダメだとも言うのよね。

—(村人A)アポロンもさすが、ゼウスの息子ってオチですね! みんな、大物っぷりを発揮してまっせ!

2013/05/25

『ユリイカ』(山口昌男追悼号)の見本が届きました

Photo_3 青土社『ユリイカ』編集部から見本が届きました。今回の原稿は、明石陽介氏から依頼されたものです。

(←表紙はこちら)

この表紙の写真は、私の知っている先生じゃない感じです。ベレー帽もかぶっているし、何より眼光が鋭くない。なんか酔っ払っているような……?

さて、いろいろな方が、いろいろな山口先生のエピソードについて書かれています。

私は、というと、今回のエッセイで、先生の遺言(のようなもの)も書いています。

それは何かというと、「僕が死んだら、書いてもらいたい」と常々おっしゃっていた、山口昌男先生ご自身が認めた弟子についてです。

また主要著作目録と重要著作解題、さらに年譜がついていますので、こちらもとても便利。

山口昌男に興味のある方なら、永久保存版となることは間違いありません!

2013/05/22

へるめす通信46

—(ジョルジュの孫)てなことで、話をもとに戻すと、ヘルメスは、アポロンにひったてられて、お父さんのゼウスの前に連れて行かれて、そこで、なんと自分の産着を手に持ちながらも、堂々としらばっくれたわけ。

—(村人A)産着を手に! ヘルメスはホントに赤ちゃんなんだ。将来有望な大物っすね〜。

—(ジョルジュの孫)ま、神様に「将来有望」とか、「大物」とかって言うのもナンだけど、確かに大物よね。

 それで、大物といえば、さすがにヘルメスの父親、神々の王ゼウスも大物なのよね。なんと、ゼウスは、いたいけな見かけから繰り出される巧みな弁舌を聞いて、怒るどころか、大声で笑っちゃったんだから〜〜。

—(村人A)えー、笑った? さすが! 余裕!! 太っ腹っすね。なんつうか、それだけで、神々の王の余裕が感じられますよ。『ゼウスに学ぶ帝王学』『ゼウスに学ぶ社員教育』なんて本を書いてくれないかな?

—(ジョルジュの孫)というか、すでにあるかも? だけどね、ゼウスはそれだけじゃないの。次に出した命令も、なかなかのものよ。

「アポロンよ、ヘルメスよ、ふたりとも、心を一つにして、牛を見つけよ。そして、ヘルメスよ、牛を隠した場所にアポロンを案内しなさい。どちらも遺恨を残さないように」ってね。

—(村人A)うひゃー! できた人じゃないですか、ゼウスって。

—(ジョルジュの孫)これくらいじゃなくちゃ、父殺しあり、近親相姦ありの、どーろどろなギリシア神話世界は統治できまへん! 

 まあ、ゼウスの場合、もう少し、奥さん教育をすべきだったと思うけど。

—(村人A)有名なヘラのやきもちですね。

—(ジョルジュの孫)そう、そう。あんたもだんだんギリシア神話に詳しくなってきたじゃない。

—(村人A)お褒めいただき、光栄です。

—(ジョルジュの孫)あら。素直。ちょっと気持ち悪!

—(村人A)なんすか、ちょ、失礼。早く連載を終わらせてあげようと思っている親心なのに。

—(ジョルジュの孫)いやー、どうも、あんたが素直だと、裏になんかあるような気がしてしまって。。。

—(村人A)なんにも、ないっすよ! あっしも、一生懸命、勉強したんですよ、『神々のからさわぎ 世界の神話編』って本を読んで。

—(ジョルジュの孫)それは、漫画! っていうか、私が監修したやつ! なんだ、買ってくれたのね。どうも、ありがとう!!

—(村人A)いーえ、あっしは図書館で借りましたが……?

—(ジョルジュの孫)あんた、これだけ私に迷惑かけてるんだから、フツー買うよね?

—(村人A)いーえ、あっしはあーたに何の迷惑もかけちゃいませんよ。人聞きの悪い。

  それよか、ひねくれ者のヘルメスはゼウスに素直に従ったんですか? 今回もまたごねたとか?

—(ジョルジュの孫)いんや! さすがにお父さんの命令には従ったのよね。ヘルメスはバーベキューをしたところまで、アポロンを連れていくの。

2013/05/21

山口昌男追悼シンポのお知らせ

山口昌男先生が亡くなられてはや2ヶ月。

先生が以前所長を務められていた東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所が、山口先生の追悼シンポジウム「人類学的思考の沃野」を開催します。

AA研のホームページに概要が出ています。興味のある方はこちらからどうぞ。


2013/05/10

山口昌男・追悼特集に文章を掲載します

『ユリイカ』2013年6月号(特集=山口昌男 道化・王権・敗者)に、寄稿します。

今回は「神話」をキーワードに、山口昌男先生とのエピソードと、私から見た思想の中核について書いています(ただいま、校正中)。

雑誌の発売は5月27日のようです。

興味のある方はこちらからどうぞ。



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