へるめす通信48
—(ジョルジュの孫)で、ヘルメスは、アポロンをなぐさめるために、自分で作った竪琴をちょびっとだけ、弾いてみせたのよ。
—(村人A)あれ、ま! ケンカしてたんじゃなかったんですかい? ヘルメスってばアポロンにほめられて、気をよくしちゃったわけですね。
—(ジョルジュの孫)うーん、気をよくしたとは、原文に書かれていないので、わからないのよね。
ま、とにかく、竪琴を弾いたら、アポロンはものすごーく悦んで、笑い出したの。それから、ヘルメスは、アポロンの隣で、竪琴を弾きながら、歌をうたうのよ。
そしたら、アポロンは、「そんな音は、はじめて聞いた」ってまたもびっくりするのよね。
—(村人A)歌? うた、ウタ、UTA! ヘルメスが?
—(ジョルジュの孫)そう、ヘルメスが。
—(村人A)えー、なんか、変だなあ。ヘルメスらしくないっていうか。。
—(ジョルジュの孫)どうしてよ?
—(村人A)つまりですよ、歌を歌うことを好む人って、あっしにとっちゃ、なんとなく繊細な感じがするんですよね。
ほら、体育会系と文化会系って分類があるじゃないですか。歌を歌うってことは、まさに文化会系ですよね。
ところが、ヘルメスは赤ん坊なのに力持ちで、牛2頭をたやすく殺してアポロンをびっくりさせたりしているわけでしょ。つまり、体育会系のイメージがあるわけですよ。だから、なんとなく歌を歌うことは共存しないっていうか、……。
つまり、音楽というのは、アポロンみたいな美青年に似合う感じで、ヘルメスのキャラじゃないっていうか……。
—(ジョルジュの孫)なるほどねー、あんたも成長したわね〜。わたしゃ、少し感動しておるよ。なかなか鋭い指摘をするじゃない。やっぱ、この目を見張るような成長っぷりは、教える人が良いからよね〜。
—(村人A)は? なんですと?
—(ジョルジュの孫)だーかーらー、教える人がエクセレントってこと。
—(村人A)バキっ!!
—(ジョルジュの孫)なに? その、「バキっ!!」ってセリフは?
—(村人A)あっしが固まった音を擬態語として表現してみただけですよ。
……も、疲れたので、先に行っちゃって下さい。
—(ジョルジュの孫)やった! 私は勝った! 勝った!! 勝ったのだ〜!!
といって騒いだのは、日本神話のスサノオなんだけど、ここで、あんたに勝ちを宣言しても大人げない気がするから、先に行くわ。



















