へるめす通信49
—(ジョルジュの孫)で、アポロンは、ヘルメスのひいた竪琴の音色に、すっかりメロメロになっちゃったの。オリュンポスの神々も、音楽をつかさどる九人の女神ムーサたちも、いまだかつて出したことのない音色だ、って言ってね。
—(村人A)へー、そんなにすごい音だったんですか。ヘルメスの竪琴は。
—(ジョルジュの孫)そうみたい。ま、自分ちの洞窟の前をはっていた亀をぐさっと殺(や)って作った、ヘルメル・オリジナルの楽器だもの。聞いたことのない、初めての音色だといわれれば、それはそうよね。
—(村人A)すごーい、ヘルメス。ドクター中松も真っ青!
—(ジョルジュの孫)そっちか、キミの基準は。ふつうはエジソンが出てくるんじゃないの? エジソンは蓄音機を発明しているし。それを初めて聞いた人たちは、アポロン同様、びっくりしたんだといえば、キミの株が急上昇するわけなんだけど?
—(村人A)いえいえ、あっしはドクター中松にこだわりたいですよ。なんたって、ドクター中松は、フライングシューズという名前のぴょんぴょん飛ぶ靴を発明しているじゃないですか。ヘルメスみたいでしょ?
—(ジョルジュの孫)なるほどね! 最近、あんたがヤケに賢く見えてきたわ。きっと、目の錯覚ね。
—(村人A)老眼のはじまりですよ。そろそろ気をつけたほうが……。
—(ジョルジュの孫)シャラーーープ3!!! 誰が老眼じゃい! 縁起でもない。
—(村人A)……ったく、心配してあげるとこれだもんね。まったく損ですよ。ホント、あーたに情けは無用ですっ!
それで、アポロンとヘルメスは仲良しこよしになったのですね。
—(ジョルジュの孫)そうなんだけど、その前に……。



















