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2015年9月の4件の記事

2015/09/29

叙事詩、再発見

ついにやってくる90歳の演劇界の巨匠、ピーター・ブルックの『Battlefield』

ブルックは、1985年に、伝説となった9時間の大舞台『マハーバーラタ』を上演していますが、この11月下旬に、日本で『マハーバーラタ』をもとにした『Battlefield』が上演されます。

一般予約開始の9月26日朝10時に、インターネットで予約をしようと思ったら、どこのホームページも、アクセス不能の状態に。

しかし、思い切って特設の電話番号にかけてみると、あっさりとつながり、チケットを無事ゲット!

ということで、長年見たい、見たいと思っていたブルックの『マハーバーラタ』をついに見ることができます。

ちなみに、『マハーバーラタ』は、『イリアス』『オデュッセイア』とならんで、世界3大叙事詩のひとつとされていますが、近年、演劇界では、こうした叙事詩やギリシャ悲劇がブームになりつつあるのではないかとひそかに思っています。

『マハーバーラタ』といえば、昨年2014年9月に、静岡県舞台芸術センターが『マバーバーラタ~ナラ王の冒険~』を上演していますし、ギリシャ悲劇の方は、ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場による『オイディプス』が、来月10月に来日公演をします。

Twitterなど、文章がどんどん断片化し、短くなっていく時代の中で、叙事詩やギリシャ悲劇の上演は、一種の反時代的試みといえるかもしれません。

2015/09/25

『芸術新潮』発売になりました~

『芸術新潮』2015年10月号が発売になり、さきほど雑誌が届きました !

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今回の特集は、「ギリシャ神話エロティック・ガイド」。

ということで、ギリシャ神話のエロスを主軸に、エロスと通底する要素を持つ残酷部分にも焦点を当てた作品をとりあげています。

作品の解説は池上英洋先生ですが、私はこの中で、ギリシャ神話そのものの解説と、古典エッセイストの大塚ひかりさんとの対談を担当しております。

6月15日に、新潮社の田中樹里さんと伊熊泰子さんから連絡をいただき、それから1ヶ月後に解説部分のインタビューを受け、その翌週に、大塚ひかりさんとの対談を行い、数回におよぶ校正のあと、ようやく完成しました。

ところで、私の解説部分には、芝崎みゆきさんのとってもおもしろいギリシャ神話地図と系図が、大塚さんとの対談部分には、霜田あゆ美さんが描いてくださった大塚さんと私のイラストが掲載されています!

大塚さんとの対談も含めて、どれもみな本当に楽しい(そしてかなりショッキングな、しかしじっくり見るとかなり手が込んでいる)ものに仕上がりました。

みなさん、本当にどうもありがとうございました!

芸術新潮のページはこちら、池上英洋先生のブログはこちら、大塚ひかりさんのブログはこちら、芝崎みゆきさんのブログはこちら、霜田あゆ美さんのブログはこちら、ついでにアマゾンで購入してくださる方はこちら、からどうぞ。

ちなみに、芸術新潮のページに飛び、中央の「ギリシャ神話 エロティック・ガイド」の「神々の、恋のからさわぎ」の部分をクリックすると、なんと、新潮社写真部の広瀬達郎さんが撮って下さった大塚さんと私の写真が載っています(今から1ヶ月間限定です)。

私の写真は、大塚さんの名キャッチコピー「●●●●神話」を聞いて、思わず笑ったところだと思われます。

「●●●●」に何が入るか知りたい方は、是非購入してください。

2015/09/15

最近のはやり

風邪がはやっているみたいですね。

はやり、と聞けばナニ、ナニと首をつっこみたがる私も、当然といえば当然のことながら、風邪をひきました。

今回の風邪は熱はほとんどないのに、なぜだか体がだるく、咳と鼻水が出、十時間以上も眠り続け、なにしろ肩がひどく痛い。

それは肩こりだろ!と自分でもつっこみを入れたのですが、なぜか風邪がよくなってくると、肩こりも消えていったのでした。

体の節々が痛くなった風邪は体験しましたが、肩こりは初めて。

肩こりの風邪ってあるんですね。。。

さて、このしつっこく長引く風邪のさなか、もう1つの私のはやりとしては、頻繁に銀座通いをしていること、でしょうか。

銀座といっても、銀ぶらするわけでも、三つ星レストランに行くわけでも、ナイトクラブでお姉さんたちをはべらすわけでもなく、わきめもふらず、目指すは東劇。

今、ライブビューイング10周年を記念して、これまでの作品のいくつかをアンコール上映してくれているので、ただひたすら、メトロポリタンオペラのライブビューイングのアンコール上映のうち、未見の作品を見に行っているんです。

まずは量をこなさないと思い、お金の許すかぎり、見ていない作品を見まくっているのですが、自分でも予想していなかったのでびっくりしたことに、オペラ(『ラ・ボエーム』)を見て、感動して泣いたんです!

たしか、私の記憶では、映画『プリティ・ウーマン』で、ジュリア・ロバーツ演じる娼婦の女の子が、リチャード・ギア演じる富豪の男性の数日限りの恋人になるのですが、ギアが彼女をオペラに誘うと、彼女は感動して泣いたシーンがあったような。。。

とにかく、

いやー、ええぞ、オペラは。

という気に、いっきにさせられました。

ちなみに、私の研究との関係でいえば、たとえば、モーツァルトの『魔笛』やロッシーニの『湖上の美人』など、いろいろなオペラの中に、神話や伝説を素材にしたものがあります。

そもそも、この鑑賞の目的は、オペラの中の神話的思考を探るためなのです。

一方、この乱読ならぬ乱鑑賞によって、一見すると、神話伝説がモチーフでないような作品の中にも、「愛の神様」がよく出てくるということにも気づきました。

キリスト教のGodと、この愛の神様はどういう関係にあるのか。

などなど、追究したら面白そうなテーマがたくさん。

ちなみに、10周年を記念して、「あなたが選ぶベストワン」の投票を行ったところ、なんと、1位は、「カルメン」。

そう言われて、「カルメン」を見直したのですが、なんてったって、流れる音楽はどれをとっても聞いたことのあるものばかりだし、それ以上に、詰め込まれている要素は文化史的に重層的だし、たしかに「カルメン」は面白いかもと思った次第です。

2015/09/02

『芸術新潮』10月号「ギリシャ神話エロティック・ガイド」

現在、『芸術新潮』10月号の特集である「ギリシャ神話エロティック・ガイド」の記事の作成、および確認作業を鋭意作成中です。

今回、私はこの号の神話のインタビューによる解説と、エッセイスト大塚ひかりさんとの神話対談を担当しています。

それで、神話の解説部分については、事前に、この号担当の編集者・田中樹里さんと伊熊泰子さんから質問を受けていて、それに応えるという形になっているのですが、実は、このお二人の質問がたいへん鋭かったのです。

時に、思想的な問題にまで踏み込む性質を持っていたので、それに対する見解を、こちらも真剣に探ることになりました。

この経験は、本当にたいへん勉強になり、またいくつかの独立したモチーフだと思っていた事柄の中に、共通するものがあったことなどを発見したのでした。

私の感じでは、この神話の号は、神話はなぜエロティックな部分やグロテスクな部分を物語っているのかとか、芸術家が神話の美しい部分だけでなく、なぜ神話のエロやグロにひかれたのかといった、かなり野心的なテーマを追究しているように思います。

現在、まだ作業が終わっておらず、雑誌発売までの短い期間で、全員が全力で自分の仕事を遂行している最中なのですが、かなり充実した内容になっている感があります。

以上、経過報告でした。

完成しましたら、また報告いたします。

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