谷川渥『幻想の花園』とミースのファーンズワース邸
今日は本についてコメントしたいと思います。
少し前の話になってしまうのですけれども、東京書籍の藤田六郎さんより、ご本をいくつか頂戴いたしました。
『神々のからさわぎ』日本神話編と世界の神話編でご一緒して以来、ときおり藤田さんには、お知恵を拝借しています。
藤田さんはロンドン大学で美術史を専攻されていた方なので、美術・建築関係の書籍を編集されることが多いのです。
私も、美術は専門でないものの、実はその昔、水墨画や仮名書道を習っていて、自著の中に、できる限りビジュアルを取り入れたいなあとひそかに思っていたりするので、美術には何かと御縁があります。
美術作品を見ているとおもしろいので、本格的に勉強すればよかったと思うこともたびたびあります。
そのため、藤田さんからいただいたご本がたいへん興味深かったのですが、中でも、谷川渥氏の『幻想の花園 図説美学特殊講義』は、さまざまな言説の中にある「花」の描写を、西洋と日本の絵画とともに味わう形式になっていて、力作と思いました。
それと、もうひとつ、私が興味深かったのは、後藤武氏の『ファーンズワース邸/ミース・ファン・デル・ローエ』。
ミースが建てたファーンズワース邸とは、空中に浮かんでいるように見える総ガラス張りの,一見たいへんモダンな、しかしよく見ると、原始の小屋のようなワンルームのこと。
ガラス張りのため、部屋と外の自然との区別がほとんどつかない、日射しも、雨も、風も、夜の暗さも、夏の虫も、とにかくほとんどまるごと受けとめるしかないような部屋なのです。
まるで公園の中の休憩所のような。
上記の本は、このあたりの事情を、建築と自然の関係から描いています。
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