カタルシスの問題
ここのところ見た(舞台のライブビューイングを含めた)映画は、以下の通り。
・(あのうわさの)マット・デイモン主演の『オデッセイ』
・ナショナル・シアターのライブビューング『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
・トニー賞受賞演出家ジュリー・テイモアの舞台の映画化『夏の夜の夢』
なにがびっくりしたって、ナショナル・シアター・ライブがどこの映画館もほぼ満席の状態だったことです。
メトロポリタン・オペラのライブビューイングだって、こんなに満席になったことはあまりなく、加えてオペラの観客が高年齢化しているのに、ナショナル・シアター・ライブに来ている観客は20代も見受けられたのです。
今の日本は、完全に演劇の方が優位であると思いました。
さて、そのナショナル・シアター・ライブの演目は『夜中に犬に行った奇妙な事件』。
自閉症の男の子が、隣人の犬を殺害した犯人を探し出そうとする日々を描いているのですが、実際見てみると、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』に似ていました。
そして、なるほど、この演劇が現代の若者に受け入れられている訳、さらにはオペラが受け入れられていない訳もなんとなく、理解できた次第です。
一方、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』とは正反対の内容を持つ、シェイクスピアの『夏の夜の夢』。
こちらは、ジュリー・テイモアの演出とあって、やっぱりものすごーく期待していったのですが、むむむ、カタルシスがない!
『夏の夜の夢』のキモは、なんといっても、3組の恋人たちの結婚の祝宴の場で催される、ピラマスとシスビーの悲劇だと私には思われるのですが、今回はそのキモのシーンに、これまで見た中で一番感動しなかった。
天才の戯曲と、優れた俳優陣を使っても、観客にカタルシスをもたらすのって、難しいものなのですね。。。
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