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2016/07/11

これはオススメ! バーナード・ショー『人と超人』

先日、イギリスのナショナル・シアターのライブ中継で、ジョージ・バーナード・ショーの『人と超人』を観てきました。

上映時間は休憩も入れて、3時間50分!

あまりにも長いので、「なんだか行きたくないな~、ちょっと億劫だなあ~」とぐずぐずしていたのですが、現代演劇の名作101本の中に入る戯曲とあって、思い切って出かけたところ!

これが大当たり

まずは俳優陣。

とくに『イングリッシュ・ペイシェント』のラズロ・アルマシー役や、ハリー・ポッター・シリーズのヴェルデモート役で有名なレイフ・ファインズが、膨大なセリフ量をものともせず、みごとな間合いで、完璧に演じ切っていて、拍手!

さらには、この戯曲、タイトルからかもし出された最初の印象とは異なり、本当にびっくりしたことに、コメディで、恋愛物、だけど、限りなく理屈っぽくて、そのおもしろさにまた拍手!!

登場人物たちに、相反する理念を語らせ、たたかわせながら、どちらの立場の主張も相対化してしまうショーの力量にとても感心しました。

あまりにも興奮したためか、自宅に帰るや、ショーに関するいろいろなコメントを本棚から引っ張り出して、読みあさってしまいました。

とくに、心に残ったのが、ショーを評したチェスタトンの『ジョージ・バーナード・ショー』の、以下の一節です。

最初は一見崇高な調子で始めながら、後になって一転滑稽に転落させる劇作法をとったのである。主人公(中略)は、最初はいかにも英雄的に登場しながら、後ではみなの笑いものになる。

上記は、ショーの別の戯曲『武器と人』を論じた箇所に書いてあったものなのですが、まさにこの部分は『人と超人』の主人公にもあてはまっていると思います。

こういう鋭い批評を読んでいると、すごーく刺激されるのと同時に、なんだかうれしくなってきます。                           

ところで、私が演劇で、これは観た方がいいかな、観なくてもいいかな、と迷っている時にひもとくのは、岩淵達治編の『現代演劇101物語』(新書館)

ショーの『人と超人』もこの中で取り上げられている戯曲なのです。

この本に出てくる戯曲は極力観るように心がけていますが、名作101本の戯曲のうち、20年かけて見終わったものは、まだ半数に達していないという有り様。

ショーの『人と超人』もろとも、オススメです!

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