情報処理技術としての読書法:速読/遅読、多読/精読(1)
前回、鶴見祐輔がすすめ、山口昌男も実践した「赤鉛筆・青鉛筆読書法」を紹介いたしました。
ちなみに、「赤鉛筆・青鉛筆読書法」とは、一言でいえば、一冊の本を、ときに批判を交えながら、じっくり精読する方法ということになります。
ところで、この「精読」、従来は「精読/多読」、もしくは「遅読/速読」という対概念の中で、よく論じられてきました。
どちらに重きを置くべきなのか、あるいは、どちらもやるべきなのか、ということについて、これまで、いろいろな人がいろいろなことを言ってきたのです。
そして、これは、「読書法」が論じられる際の中心テーマのひとつとも言えます。
たとえば、明治39(1906)年に成功雑誌社から出版された『成功』という雑誌の秋期臨時増刊号のタイトルは、『現代読書法』。
ここから判断すると、明治末ごろ、「成功」するためには「読書法」が、もっといえば、「現代」という時代に即した「読書法」が必要であるという考え方が問題となっていたということが分かります。
成功のための読書法という視点は、近代的な読書法の誕生と関係がありそうです。(これについては、連載の後で触れる予定です。)
さて、 この『現代読書法』という特集号では、さまざまな著名人が自分自身の読書法について述べています。
私たちになじみ深い人物では、幸田露伴、島村抱月、大隈重信、さらには夏目漱石といった名前もあります。
ちなみに、この『現代読書法』という特集号。
現物を置いている図書館を、私の調査では、みつけられませんでした。
(漱石の書いた記事は、『漱石全集』にも載っていますが、そのおおもとである『成功』という雑誌の『現代読書法』という特集号の現物が今のところ、みあたらないという意味です。)
しかし、な、な、な~んと、私の手元に、その雑誌の現物があるのです![]()
この雑誌は、20数年前に古書目録で見つけて落札したものです。
ちなみに、本日(1月13日)日本の古本屋のサイトで検索したところ、「外装が欠」の状態ですが、一冊だけ売っていました。
このお宝雑誌には、全部で41編の「読書法」が載っているのですが、話を元に戻しますと、ほとんどの人物がさかんに論じているのが、「精読/多読」「遅読/速読」のテーマなのです。
どんな内容か、そこから何が見えてくるか、次回以降、書いてみたいと思います。




















