« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

2017年2月の2件の記事

2017/02/12

「●●クラブ」の流行?

日本語のウェブ版「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2017年2月9日付け)を見ていたら、最近、アメリカの一部の学校では、学生の心身の健康のための対応策として、「●●(漢字2文字)」を導入しているのだとか。

学生の間では、クラブまでできたほどの盛り上がりを見せているそうなのです。

さて、「●●」とはいったい何でしょう?

実はそれは、「昼寝」。

詳細は「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事を読んでいただければと思いますが、つい最近、大学で健康診断を受診した私としては、健康診断で、腰回りを測られてメタボ診断されたり、気分が落ち込んだりすることがあるかチェックされたり、毎日何を食べているか、毎日何時間眠っているかを申告したりするのと、この昼寝クラブの隆盛は、同様なものを感じました。

従来の漠然とした常識は、「健康」というようなものは個人的な領域に属するもので、たとえば脳梗塞だとか糖尿病だとか、遺伝の影響が強いとみなされているような病気を予防するため、自己の管理を徹底する必要があるというものだったと思います。

ところが、最近は、従来個人の領域に含まれてきた「健康」の領域を、教育機関や雇用機関が管理し始めているという事態が生まれてきていることになります。

前にもこのブログで書きましたが、私が楽しみにしているものの中に、NHKの『実践ビジネス英語』(ラジオ第2放送)があります。

この番組は、タイトルこそ、「ビジネス英語」となっていますが、英語表現とともに、 アメリカのトレンドが、講師の杉田敏氏の筆によって、よくわかるようになっています。

2017年1月号のテキスト中で、企業や自治体主導のウェルネス・プログラム、健康維持への取り組みがとりあげられていて、企業は、「従業員のためのめい想教室、無料マッサージ、サルサやベリーダンスの教室、料理教室、はり治療のセミナーなど」を開催しているとのこと。

企業は社員の健康を維持することによって、長期的コストを削減する方向にシフトしつつあるとのことでした。

昼寝の推奨は、ついに、個人の睡眠までも管理・統御される時代に進みつつあることを示しているということなのでしょうか。

真面目な話、医療費の伸びを抑制するという目的のために、そのうち、枕や布団、腕などの身体の一部に装着された機器から、毎晩の睡眠データ、食事データなどが、学校や会社に自動送信されるということになるかもしれません。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事に興味のある方は、こちらからどうぞ。

2017/02/06

情報処理技術としての読書法:速読/遅読、多読/精読(2)

前回のエントリでは、明治末ごろに、「成功」するためには「現代」に即した「読書法」が必要であり、その「妙諦」は、「速読/遅読」もしくは「多読/精読」というような二項対立のうちの片方、もしくは両方ができるようになることだったらしいことが、雑誌『成功』の臨時増刊号である『現代読書法』からうかがえる旨を記しました。

たとえば、『現代読書法』の最初に出てくる戸水寬人(とみず ひろんど)。

彼は、今でいう東大法科の教授で、いわゆる大学の自治、言論の自由の観念のさきがけとなった事件を引き起こした人物として有名です。

その事件を要約しますと、日露戦争前、戸水は「バイカルまで奪え」とロシアに対する強硬論を張り、政府と対立した結果、政府が彼を休職処分にしたのですが、それに反発した東大の教授陣が総辞職を宣言、ついには文部大臣が辞職し、戸水は復職したという出来事がありました。

この事件で有名な戸水が、幸田露伴、夏目漱石、島村抱月らをおさえて、『現代読書法』という特集号の一番最初に掲載されているのですね。

そして、興味深いのは、この記事の中で、戸水が「読書法の秘鑰(ひやく=「神秘を明らかにする手がかり」のこと)を握」ったも同然として推奨している方法が、「速読/遅読」もしくは「多読/精読」の枠組みでとらえられる方法なのです。

具体的にいいますと、戸水は、書籍には3種類あるといいます。

第1の書籍は、「多大の労力と時間とをかけて熟読精読し、其間(そのかん)沈思黙考して書中のものを直ちに我ものに同化しつつ読行(よみゆ)くもの」。

第2の書籍は、「稍(やや)些(すこ)しの時間を費(ついや)し些(すこ)しく精読すべき書」。

第3の書籍は、「十行倶(とも)に下る底の快速力を以てし、一書を読むこと左乍(なが)ら大河を決して一時に下らしむる如きの勢を以て速読すべき書」。

そして、戸水は、まずは読もうとする本がこの3種類の書籍のどれにあたるのかを区別して、この3つの態度を使い分けて読んでいくという「妙理」を用いるならば、読書法の真理を握ったことになる、と書いています。

戸水は、読書法として上記の3種類を挙げていますが、要は本の種類、情報の性格によって、「速読/遅読」もしくは「多読/精読」を使い分けろ、ということになります。

« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

Amazon

無料ブログはココログ