我々は第一次世界大戦を目撃するか:ピーター・ジャクソン監督『彼らは生きていた』
デジタル処理も、ついにここまで来たか~! という感慨を抱かせる映画を見つけました。
第一次世界大戦の記録映像を最新のデジタル技術で、修復、着色、3D化した『彼らは生きていた They shall not grow old』(ピーター・ジャクソン監督)。
これは第一次世界大戦の実写化でも、再現でもなく、厳密にいえば復元でもない(?)。
私たちは、まさに過去の一部を目撃している。そういう映像になっているようです。
ちなみに、この映画の画像版といえる、戦争にまつわる風景写真のデジタル修復・着色・3D化は、東京大学大学院情報学環の渡邉英徳教授が進められています。
渡邉先生とは、地方紙・デジタル化活用研究会でご一緒していて、研究会の際にAIが着色した写真をいくつか見せていただきました。
とにかく、モノクロ写真に着色をするだけで、いきいきとして、血が通った感じがするのです。
この時、私が疑問に思ったのは、古いモノクロ写真に写っているさまざまなものを赤だとか白だとか黄色だとか、AIはどういう基準で判断しているかということでした。
それを渡邉先生に質問したところ、AIはやはり間違うことがあるとのこと。
正確を期すためには、当時を知る人たちや研究者たち等々で話し合い、個々のものにひとつずつ丹念に着色を施す必要があるということでした。
たぶん『彼らは生きていた』も、1コマ1コマに想像を絶する苦労があったのではないかと思われます。
ところで、『彼らは生きていた』の予告編を見てみると、ホンモノの兵士が、戦いの合間に、食事をとったり笑ったり、おどけたりしている様子が見られます。
戦時下といえど、彼らは常時、悲観したり、真剣だったりしていたわけではなさそうです。
ここで思い出されるのは、俳優・加東大介が自身の戦争体験をもとに制作した、日本映画の『南の島に雪が降る』(1961年)。
ニューギニア戦線で、加東は兵士の慰安のために劇団をつくるよう命じられ、苦心をしながら舞台をつくりあげていく様が描かれています。
『南の島に雪が降る』はプロの俳優が役柄を演じていて、第一次世界大戦のホンモノの兵士の様子が記録されている『彼らは生きていた』と、違いはありますが、比較してみると、新しい発見があるかもしれません。



















