海を見て、亡き人をしのぶ
今回で、一茶の句の紹介はいったん終了にしようと思っています。
(なにか機会があれば、また戻ってくるかもしれませんが。)
で、最後に選んだのはこちら。
亡(なき)母や 海見る度(たび)に 見る度(たび)に(『七番日記』)
(口語訳:亡き母よ 海を見るたびに 思い出す。)
(以上、『一茶句集 現代語訳付き』玉城司訳注、角川ソフィア文庫、2013年、p548より)
私は海の近くの生まれですが、私の母はまだ存命であるからか、私自身は海を見て実母を思い出すというようなことはありません。
しかし、海を見ると必ず思い出す人がいます。
だからでしょうか、一茶のこの句にしみじみとしてしまいました。
ちなみに、海を見ると思い出すのは、もうだいぶ前に亡くなった私の年の離れたいとこです。
そういえば、昔、そのいとことの思い出をエッセイに書き、『歴史読本』2004年7月号に掲載していただきました。
そのエッセイは当ブログに転載しましたので、こちらから読むことができます。
興味のある方は、上記の「こちら」をクリックしてください。
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