想定と実際で違う意味を持つこと
小林一茶の句を紹介すること、3回め。
今回は、想定していた意味が、解説を読んだら違うものだったというような、落差がおもしろい句を紹介します。
とりあげるのは、有名な以下の句。
「ともかくも あなた任(まか)せの としの暮(くれ)(『おらが春』)」
上記の句は、以前にこのブログで紹介した以下の句を念頭に置くと、一茶ってほんっといいかげん、「あなた任せ」で長らく「人の飯」を食ってきたのねという、つっこみを入れたくなります。
「春立(はるたつ)や 四十三年 人の飯
(口語訳:立春が来れば、いよいよ四十三歳だなあ。ずっと他人様の飯を食ってきた。) 」
しかし、解説を読むと、この「あなた任せ」には深い意味があったことがわかります。
玉城司氏によると、ここでいう「あなた」とは阿弥陀様のこと。
句の意味は、「善かれ悪しかれ、ともかく一切を阿弥陀様にお任せして迎える年の暮れ」となります。
「愛娘を亡くした一茶が、親鸞上人の他力本願の教えによって救われようとする切なる願い」が込められているのだそうです。
(以上、『一茶句集 現代語訳付き』玉城司訳注、角川ソフィア文庫、2013年、p541より)
一読後はくすっと笑い、解説を読んだあとから読み直すと、しんみりしてしまう、プリズムのような句でした。
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