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2021/04/06

想定と実際で違う意味を持つこと

小林一茶の句を紹介すること、3回め。

今回は、想定していた意味が、解説を読んだら違うものだったというような、落差がおもしろい句を紹介します。

とりあげるのは、有名な以下の句。

 

  「ともかくも あなた任(まか)せの としの暮(くれ)(『おらが春』)」

 

上記の句は、以前にこのブログで紹介した以下の句を念頭に置くと、一茶ってほんっといいかげん、「あなた任せ」で長らく「人の飯」を食ってきたのねという、つっこみを入れたくなります。

  「春立(はるたつ)や 四十三年 人の飯

   (口語訳:立春が来れば、いよいよ四十三歳だなあ。ずっと他人様の飯を食ってきた。)

 

しかし、解説を読むと、この「あなた任せ」には深い意味があったことがわかります。

玉城司氏によると、ここでいう「あなた」とは阿弥陀様のこと。

句の意味は、「善かれ悪しかれ、ともかく一切を阿弥陀様にお任せして迎える年の暮れ」となります。

「愛娘を亡くした一茶が、親鸞上人の他力本願の教えによって救われようとする切なる願い」が込められているのだそうです。

(以上、『一茶句集 現代語訳付き』玉城司訳注、角川ソフィア文庫、2013年、p541より)

 

一読後はくすっと笑い、解説を読んだあとから読み直すと、しんみりしてしまう、プリズムのような句でした。

 

 

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