よいお年を! ―西條八十「ある大晦日の夜の記憶」とともに―
みなさま
ただいま、2023年12月31日(日)が終わりを迎えようとしているところです。
私は今年、『ギリシャ神話の教科書』(ナツメ社)と『一冊でつかむ世界の神話』(河出書房新社)の監修を担当し、年末には『SPUR』(集英社)誌上に掲載予定のスタイリスト北村道子さんとの対談も行いました。
さまざまなご縁が結びついた、ありがたい年となりました。
新しい年も当ブログで、元気に発信していきたいと思います。
なお、北村さんとの対談の詳細につきましては、次年度、当ブログで紹介したいと思います。
本年もたいへんお世話になり、まことにありがとうございました。
来年がみなさまにとって実りの多い年となりますことをお祈りしております。
来年も東ゆみこのウェブサイトを、どうぞ、よろしくお願いいたします。
最後に、「東京行進曲」や「東京音頭」、「銀座の柳」「青い山脈」といった流行歌の歌詞を書いた西條八十の、「ある大晦日の夜の記憶」という詩を紹介して、2023年の締めくくりとしたいと思います。
ある大晦日の夜の記憶
その夜は粉雪(こゆき)がふつてゐた、
わたしは独り書斎の机の前に坐つて
遠い除夜の鐘を聴いてゐた。
風の中に断続するその寂しい音(ね)に聴き入るうち、
わたしはいつかうたた寝(ね)したやうに想つた、
と、誰かが背後(うしろ)からそつと羽織を着せてくれた。
わたしは眼をひらいた、
と、そこには誰もゐなかつた、
羽織だと想つたのは
静かにわたしの軀(み)に積つた一つの歳(とし)の重みであつた。
(西條八十『西條八十詩集』角川春樹事務所、2019年、pp.86-87)



















